ピラティス

ピラティスとヨガの違いは?詳しい違いや、自分に合った選び方を解説!

ピラティスとヨガの違い

ピラティスとヨガは、姿勢改善やストレス軽減、健康維持を目的に取り入れられることの多いエクササイズです。

一見すると似た運動に見えますが、成り立ちや呼吸法、身体へのアプローチには明確な違いがあります。

ピラティスは身体機能の改善や体幹強化を目的としたトレーニングであるのに対し、ヨガは呼吸や瞑想を含めた心身の調和を重視した健康法です。

本記事では、ピラティスとヨガの違いを体系的に整理しながら、「どちらが自分に合っているのか」を判断できるよう解説します。

ピラティスとヨガの違いとは

まずは、それぞれの特徴を整理します。

ピラティスとは

ピラティスとは

ピラティスは、体幹(インナーマッスル)を中心に全身の筋肉をコントロールし、身体機能を整えることを目的としたトレーニングです。

マットの上で行うものに加え、専用マシンを使ったトレーニングも存在します。

ピラティスの歴史

ピラティスは、ドイツ人のジョセフ・ピラティスによって考案されました。

第一次世界大戦中、負傷兵のリハビリとして開発された背景があり、寝た状態でも実施できる運動として広まりました。

現在でも、姿勢改善や機能回復といった観点から評価されることが多いエクササイズです。

ピラティスの呼吸法

ピラティスでは胸式呼吸を用います。

胸郭を横に広げるように呼吸することで、交感神経を刺激し、集中力を高めやすくなるとされています。

また、呼吸と動作を連動させることで、体幹の安定性を高める役割も担います。

ピラティスに期待できる効果

ピラティスによって期待できる主な効果は以下の通りです。

  • 体幹(インナーマッスル)の強化
  • 姿勢改善(猫背・反り腰など)
  • 左右のバランスを意識した動き
  • ボディラインの引き締め

ピラティスでは胸式呼吸をおこなうため、インナーマッスルが刺激され、胴体部分の体幹が鍛えられる効果が期待できます。

インナーマッスルを強化すると、背骨や骨盤を支える力が高まり、崩れがちな姿勢を保ちやすくなると言われています。

そのため、姿勢の安定や体幹の強化につながります。

→ 詳細はピラティスで期待できる効果にて

ヨガとは

ヨガとは

ヨガは、ポーズ、呼吸法、瞑想の組み合わせでできている健康法です。

それぞれ異なる目的を持っており、ポーズは、体の柔軟性や筋力を向上させる目的、呼吸法はエネルギーの流れを整える目的、瞑想は心を集中させる目的があります。

ヨガの歴史

ヨガは約4,500年前の古代インドが発祥となっている、心身を鍛えることを目的とした健康法を指します。

「ヨガ」と聞くと、フィットネスクラブなどでおこなわれているイメージがあるため、運動だと感じる人もいるでしょう。

もともとは精神の安定を重視して行われてきた背景があり、現在はリラックスや気分転換を目的に取り入れる人も多いエクササイズです。

ヨガの呼吸法

ヨガの呼吸法は、腹式呼吸です。

腹式呼吸は文字通りお腹を膨らませておこなう呼吸法で、息を吸うときはお腹を膨らませ、吐くときはお腹をへこませます。

エクササイズ中の意識を呼吸に集中させることは、リラックスや気分転換につながるとされています。

ヨガに期待できる効果

ヨガによって期待できる主な効果は以下の通りです。

  • ストレス軽減・リラクゼーション
  • リラックス・気分転換
  • 柔軟性の向上
  • 血流促進

ヨガはゆっくりした呼吸を伴う運動で、ストレスの軽減や気分転換などメンタル面に良い影響があるとされています(効果には個人差があります)。

ヨガのポーズの中には、日常生活では使わない筋肉が刺激されるものもあるので、ストレッチ効果も期待でき、筋肉が柔軟になったり血流が促進されたりする効果も期待できるでしょう。

ピラティスとヨガの3つの違い

前項では、ピラティスとヨガの概要を詳しくお伝えしました。

ここでは、ピラティスとヨガの違いを3つに分けて解説します。

  • 目的と期待できる効果
  • 呼吸の仕方
  • 体の動かし方

目的と期待できる効果

ピラティスとヨガは、目的と期待できる効果が異なります。
ピラティスは、全身の筋肉を整えて柔軟性や姿勢を改善するのに対し、ヨガは体の柔軟性や筋力を向上させる目的もあるものの、どちらかというと精神的な統一をはかる目的のほうに重点が置かれています。

単に体を鍛えたいのか、それとも体を動かしながら心身の調和をはかりたいのかでピラティスとヨガどちらが合っているか決めるのがおすすめです。

呼吸の仕方

ピラティスは「胸式呼吸」、ヨガは「腹式呼吸」を基本としています。
「呼吸法がただ違うだけではないのか?」と考えるかもしれませんが、呼吸法が違えば期待できる効果も異なります。

胸式呼吸は交感神経を、腹式呼吸は副交感神経を優位にしやすいとされています。

そのため、ピラティスは活動的に、ヨガはよりリラックスして取り組みやすいと言われます(感じ方には個人差があります)。

体の動かし方

ピラティスは、常に体を動かし、インナーマッスルや体幹を鍛えます。
それに対し、ヨガは体を動かすというよりも、一定のポーズをキープします。
そのため、ヨガでは静止している時間のほうが長いです。

つまり、「運動した」と実感できるのは、ピラティスです。
ヨガは、「体がほぐれた」「なんだか心がスッキリした」と感じられるようなエクササイズだと言えるでしょう。

運動することに抵抗がある人や、これまであまり運動をしてこなかった人は、ヨガから始めてみたほうがいいかもしれません。

体幹を鍛えたいなら、ヨガとピラティスどっち?

結論からお伝えすると、体幹の「安定させる力」を鍛えることが目的なら、優先すべきはピラティスです

理由は、「体幹」という言葉が指しているものにあります。体幹は腹直筋のような表面の筋肉だけを指すのではなく、腹横筋・多裂筋・横隔膜・骨盤底筋群という、胴体の深い部分をぐるりと囲む筋肉群を含みます。これらは手足を動かす直前にわずかに先行して働き、背骨や骨盤が余計にぶれないように支える役割を担っています。「姿勢が保てない」「長く座ると腰がだるい」といった悩みは、力の強さよりも、この“先に働く”機能がうまく出ていないことと関係すると考えられています。

ピラティスは、この機能を意識的に取り出して練習する構成になっています。

  • 胸式呼吸で息を吐ききる過程で、腹横筋が働きやすくなる
  • 胴体の位置を保ったまま手足だけを動かす種目が多い(=動かさないために支える練習)
  • マシンではバネによって負荷のかかる方向が変わるため、支え続ける力が求められる

一方でヨガは、ポーズの保持・柔軟性・バランス・呼吸への集中が主眼です。プランクに近い姿勢や、アシュタンガ・パワーヨガ系の流れるシークエンスでは体幹にしっかり負荷がかかりますが、「深い部分の筋肉を先に働かせる」という一点だけを切り出して反復する場面は、ピラティスほど多くありません。

目的 向いているのは
姿勢を保てるようになりたい・腰まわりの負担を減らしたい ピラティス
支える力と柔軟性をバランスよく高めたい ヨガ(アシュタンガ・パワーヨガ系など動きの多いもの)
腹筋を割りたい・体脂肪を落としたい どちらも主役にはなりにくい(食事の見直し+有酸素運動+高負荷の筋力トレーニングが中心)

なお、「体幹を鍛えること」と「お腹を細く見せること」は別の話です。ピラティス自体の消費カロリーは多くないため、体重を落とす手段としては期待しすぎないほうが現実的です(詳しくはピラティスで期待できる効果)。

うたぴん
「体幹を鍛えたい」とおっしゃる方の多くは、腹筋運動をイメージして来られます。でも指導していて感じていたのは、回数をこなすより先に「息を止めずに支えられるか」を確認したほうが早い、ということでした。息を止めて力むと一瞬は固められますが、それは日常生活で使える支え方ではありません。この点を丁寧に扱うぶん、体幹目的ならピラティスのほうが遠回りが少ないと考えています。

ピラティスとヨガはどんな人に向いている?

ピラティスとヨガは、一見似ている運動に見えるものの、呼吸法や期待できる効果、動き方などに違いがあります。

「自分はピラティスとヨガ、どちらが向いているのだろう?」と考える人も多いのではないでしょうか。
最後に、ピラティスとヨガが向いている人をそれぞれ紹介します。

ピラティスが向いている人

ピラティスが向いている人

ピラティスが向いている人は、運動をしたい人、ダイエットをしたい人です。

ピラティスは、ヨガに比べて動きもあるので、しっかりと体を動かした感覚があります。

また、ピラティスにはインナーマッスル、体幹を鍛えられる効果が期待できるため、負荷がかかりやすく、継続することでダイエット効果も期待できるでしょう。

ヨガが向いている人

ヨガが向いている人

ヨガが向いている人は、心を整えることを重視したい人、ガッツリ運動はしたくないけれど体を動かしたい人です。

先に述べたように、ヨガは元々心身を鍛えることを目的とした健康法として生まれました。
また、腹式呼吸を用いることで副交感神経を優位にさせ、リラックス効果が期待できます。
そのため、日々の疲れやストレスを取りたい人、何も考えず自分自身と向き合う時間が取りたい人におすすめできます。

そして、ヨガはピラティスに比べると動きが少ないです。

また、ヨガは筋肉を鍛えるというよりも、筋肉をほぐすことに重きを置いています。

つまり、ガッツリと運動はしたくないけれど、凝り固まった体をほぐしたい人に向いていますよ。

ヨガとピラティスは両方通ってもいい?優先順位と組み合わせ方

「どちらか一方に決めなければいけない」と考える必要はありません。目的が異なるため、両方を並行しても効果を打ち消し合うことはなく、実際に併用している人も多くいます。ただし時間もお金も限られている以上、優先順位と週の配分を先に決めておいたほうが続きます

どちらを先に始めるべきか

いちばん簡単なのは、「いま困っていること」で決める方法です。

いまの悩み 先に始めるとよいのは
猫背・反り腰が気になる/長く座ると腰がだるい ピラティス
体が硬い/肩や背中が固まっている ヨガ
眠りが浅い・気持ちが休まらない ヨガ
運動自体が久しぶりで、何から動かせばいいか分からない ピラティス(体の使い方を先に整えるとヨガのポーズも取りやすくなります)

週の配分の例

無理のない配分は、週に確保できるコマ数から逆算して決めます。

週の回数 配分の例 こんな人に
週1回 どちらか1つに絞る まず習慣化を優先したい人。最初から掛け持ちにすると続きにくくなります
週2回 ピラティス1+ヨガ1 体を整えることと気持ちのリセットを両立したい人
週2回 ピラティス2 姿勢や腰まわりの負担など、目的がはっきりしている人
週3回以上 ピラティス2+ヨガ1 強度の高い日と低い日を分けて組みたい人

同じ日に続けて受ける場合は、ピラティス→ヨガの順がおすすめです。体幹を働かせてから、最後にゆっくり伸ばして呼吸を整える流れのほうが、体感として収まりがよくなります。逆の順番がいけないわけではありませんが、ヨガでしっかりほぐしたあとは「支えている感覚」がつかみにくくなることがあります。

そして最も大切なのは、回数を増やすことよりも同じ枠を数ヶ月続けることです。週1回を3ヶ月続けた人と、最初の2週間だけ週3回通って辞めてしまった人とでは、前者のほうが変化を実感しやすいでしょう(効果には個人差があります)。

うたぴん
私自身、育児で寝不足の日は強度を低めに切り替えるようにしています。両方を知っていていちばんよかったと感じるのは、体調に合わせて選べることでした。「今日はピラティスの予定だったけれど、体が起きていないからヨガにする」と決められると、休む日が減ります。掛け持ちの本当のメリットは、量を増やせることではなく、辞めない選択肢が増えることだと思っています。

なお、自分がどちらに向いているか迷う場合はピラティスが向いている人の特徴、期待できる効果を詳しく知りたい場合はピラティスで期待できる効果もあわせてご覧ください。ピラティス全体の基礎知識はピラティスの記事一覧にまとめています。

まとめ:ピラティスとヨガには明確な違いがある!体を鍛えたいのか、心身の調子を整えたいのかで決めてみよう

ピラティスとヨガは似たようなエクササイズに見えますが、実は明確な違いがあります。

ピラティスはインナーマッスル、体幹を鍛えるのに対し、ヨガは筋肉をほぐしながら精神を整えます。

そのため、エクササイズをする中で「心」を重視したい人はヨガ、「鍛える」ことを重視したい人はピラティスが向いているでしょう。

今回紹介したピラティスとヨガは、どちらも魅力的で人気のあるエクササイズです。

文字だけで判断するのではなく、ピラティスとヨガどちらも実際に体験してみるのもおすすめです。

自分に向いているエクササイズを見つけて、健康的な体づくりを始めましょう。

※当記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的アドバイスに代わるものではありません。効果には個人差があります。持病のある方・妊娠中の方は、開始前に医師にご相談ください。

うたぴん
[編集者プロフィール]
NESTA公認パーソナルフィットネストレーナー(NESTA-PFT)
現在はフリーランスで活動する1児の母。学生時代は陸上競技で長距離に取り組み、卒業後はNESTA公認パーソナルフィットネストレーナーとして月間100人以上のクライアントのカラダメンテナンスに従事してきました。現在は育児と仕事の合間にピラティスへ通い、忙しい毎日のなかで続けられるウェルネスを実践しています。「自分に合った運動を、無理なく今の暮らしに取り入れる」——自身の経験をもとに、初心者や子育て中の方の目線でヨガ・ピラティスの情報をお届けしています。
うたぴん
執筆・編集
うたぴん
NESTA公認パーソナルフィットネストレーナー(NESTA-PFT)
現在はフリーランスで活動する1児の母。学生時代は陸上競技で長距離に取り組み、卒業後はNESTA公認パーソナルフィットネストレーナーとして月間100人以上のクライアントのカラダメンテナンスに従事してきました。現在は育児と仕事の合間にピラティスへ通い、忙しい毎日のなかで続けられるウェルネスを実践しています。「自分に合った運動を、無理なく今の暮らしに取り入れる」——自身の経験をもとに、初心者や子育て中の方の目線でヨガ・ピラティスの情報をお届けしています。