ヨガ

ヨガの種類と違いを初心者向けに解説|ハタ・アシュタンガ・陰ヨガどれが合う?

「ヨガを始めたいのに、ハタ、ヴィンヤサ、アシュタンガ、陰ヨガ……名前が多すぎてどれを予約すればいいかわからない」

スタジオのレッスン表を開いて手が止まる、というのは本当によくある入口のつまずきです。

先に結論を書きます。初めての人が選ぶべきは「ハタヨガ」、またはレッスン名に「ビギナー」「ベーシック」「初級」と書かれたクラスです。動きが速くないぶん、説明を聞きながら一つひとつのポーズを確認できるからです。

私はNESTA公認パーソナルフィットネストレーナー(NESTA-PFT)として指導してきましたが、最初のクラス選びを間違えると「ヨガは自分に向いていない」と誤解したまま辞めてしまう人が少なくありません。向いていないのではなく、強度の合わないクラスに入っただけというケースがほとんどです。(本記事の公的情報の参照日: 2026年7月26日)

主要なヨガ7種類の比較表

強度は★3段階(★☆☆=低い/★★★=高い)で示しています。

種類 強度 動きの特徴 向いている人
ハタヨガ ★☆☆ 1ポーズずつ静止し、呼吸を合わせる 初めての人、基本の型を覚えたい人
ヴィンヤサヨガ ★★☆ 呼吸に合わせてポーズを連続して流す 少し動きたい人、運動習慣がある人
アシュタンガヨガ ★★★ 決まった順番のポーズをほぼ休まず通す 体力に自信がある人、型を追求したい人
パワーヨガ ★★★ 筋力要素の強いフロー。体幹・下半身を使う 運動量を求める人、筋力もつけたい人
陰ヨガ ★☆☆ 1ポーズを3〜5分キープし、深部を伸ばす 体が硬い人、気持ちを静めたい人
リストラティブヨガ ☆☆☆ 道具で体を支え、脱力してキープする 疲労が強い人、休息を目的にしたい人
ホットヨガ ★☆☆〜★★★ 高温多湿の室内で行う(流派ではなく「環境」) 冷えが気になる人、汗をかきたい人

初心者がよくつまずくポイントを先に押さえておきます。ホットヨガは「ヨガの種類」ではありません。 ハタヨガやパワーヨガを高温多湿のスタジオで行うという「環境の話」です。だから同じホットヨガでも、リラックス系のクラスもあれば、かなりきついパワー系もあります。

なお、ヨガは公的な分類のうえでもストレッチングの一種として位置づけられています。厚生労働省 e-ヘルスネットの「ストレッチングの効果」には「ヨガやピラティスもこの運動の範疇に含まれます」と明記され、柔軟性の向上とリラクゼーションの効果が挙げられています。

うたぴん
現場で一番よく聞かれたのが「体が硬いのですが大丈夫ですか」でした。答えはいつも同じで、硬い人ほどハタか陰ヨガからです。柔らかい人向けに見えるポーズほど、実は硬い人が無理に形を作りにいって痛める。柔軟性は参加資格ではなく、通った結果として少しずつ変わっていくものです。ここを逆に考えている方が本当に多かったです。

種類別の詳しい違い

ハタヨガ|すべての基本になる

本来は、ポーズと呼吸を用いるヨガ全般を指す広い言葉です。日本のスタジオでは主に、一つのポーズで止まって呼吸を整える、ゆっくりしたスタイルを指します。静止時間があるぶん、説明を聞いて自分の体の位置を確認する余裕があります。初回で「何をしているのかわからないまま終わった」となりにくいのが最大の利点です。

ヴィンヤサヨガ|呼吸と動きをつなげる

呼吸に合わせてポーズからポーズへ流れるように動きます。「フローヨガ」の名前で提供されることもあります。止まる時間が短いぶん運動量が上がりますが、型を知らない状態で入ると流れについていけず、フォームが崩れたまま動き続けることになります。ハタを数回経験してからのほうが安全です。

アシュタンガヨガ|決まった順番を通していく

ポーズの順番が決まっており、それをほぼ休みなく通します。同じ順番を繰り返すので上達がわかりやすい一方、初回から参加すると体力的にかなりきついというのが率直なところです。

パワーヨガ|筋力トレーニング寄り

アシュタンガをベースに運動要素を強めたスタイル。プランクに近い姿勢や、下半身を大きく使うポーズが多く、心拍数も上がります。「ヨガでしっかり体を使いたい」というニーズに応えるクラスです。

陰ヨガ|長くキープしてゆるめる

1つのポーズを3〜5分キープします。勢いよく伸ばすのではなく、力を抜いた状態で長く保つことで、筋膜や関節まわりの結合組織に時間をかけてアプローチするという考え方に基づいています。動きは少ないぶん、じっとしている時間の長さを精神的にハードだと感じる人もいます。

リストラティブヨガ|休息そのものが目的

ブロックやボルスター(クッション)で体を支え、完全に力を抜いた姿勢で長く休みます。運動というより回復のためのクラスで、「今日は疲れすぎて動けない」という日でも参加できるのが強みです。

ホットヨガ|環境が違うだけ

室温35〜40℃前後、湿度も高めのスタジオで行います。体が動かしやすく感じられ、汗もよく出ますが、汗の量と消費エネルギーは比例しません。詳しくはホットヨガと常温ヨガの違いで整理しています。水分補給と体調管理が前提条件になるクラスです。

うたぴん
「陰ヨガは楽そうだから初心者向け」と思われがちですが、指導する側から見ると陰ヨガはむしろ経験を積んだ人ほど価値がわかるクラスです。3分キープの間に何をどう感じるか、どこで力を抜くかは、体の感覚がある程度育っていないと難しい。初回で陰ヨガに入って「ただ退屈だった」と言われることは珍しくありませんでした。ハタで体の地図を作ってからのほうが、陰ヨガは効きます。

目的・体質別の選び方

どの種類を選ぶにしても、量の目安として押さえておきたいのが公的な推奨です。厚生労働省 e-ヘルスネットの「「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」推奨シート:成人版」では、成人について「息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上」「筋力トレーニングを週2〜3日」が推奨されています。週1〜2回のヨガはこの目安の一部を担える運動量です。

目的から選ぶ

目的 おすすめの種類
初めてで何もわからない ハタヨガ(ビギナークラス)
運動不足を解消したい ヴィンヤサ → 慣れたらパワーヨガ
体を柔らかくしたい 陰ヨガ+ハタの併用
ストレスや寝つきが気になる 陰ヨガ、リストラティブ
体力に自信がない リストラティブ
冷えが気になる ホットヨガ(ベーシック系)
体幹の使い方から見直したい ヨガよりピラティスも検討

体幹の再教育が主目的なら、ピラティスのほうが合うこともあります。違いはピラティスとヨガの違いにまとめています。ストレスや寝つきが気になる場合はヨガとストレスの関係ヨガと睡眠の質もあわせてご覧ください。

体質から選ぶ

  • 暑さに弱い・立ちくらみが起きやすい:常温のハタから。ホットは体が慣れてから
  • 体が硬い自覚がある:陰ヨガ。ただし痛みが出る手前で止める
  • 運動から数年離れている:ハタ、リストラティブ。いきなりフロー系に入らない
  • 産後:医師の許可が出てから、リストラティブや産後対応クラスを

スタジオのレッスン名と種類の対応

日本の大手スタジオでは、レッスン名が流派名そのままではないことがよくあります。独自名称でも中身は上記のどれかに対応しているので、名前に含まれるキーワードで強度を読むのが実用的です。

レッスン名のキーワード おおよその中身
ビギナー/ベーシック/入門 ハタ系。初回はここ
リラックス/夜ヨガ ハタ〜陰ヨガ寄り。強度は低め
フロー/ヴィンヤサ ヴィンヤサ系。動き続ける
パワー/アドバンス/中級 パワーヨガ系。強度高め
ディープストレッチ 陰ヨガ寄り

各スタジオの詳細はブランドページで整理しています。

スタジオそのものの選び方は初心者向けヨガスタジオの選び方にまとめています。

よくある質問

ハンモックを使ったエアリアルヨガのレッスン風景(イメージ)

Q. 結局、初心者はどれから始めればいいですか?
A. ハタヨガ、またはビギナー・ベーシックと名のついたクラスです。3〜4回通って基本のポーズに慣れてから、フロー系や強度の高いクラスに広げるのが失敗しにくい順番です。

Q. ホットヨガはヨガの種類のひとつですか?
A. いいえ。ハタヨガやパワーヨガを高温多湿のスタジオで行うという「環境」の話です。同じホットヨガでも、リラックス系からパワー系まで強度は大きく変わります。

Q. レッスン名から強度を見分けるコツはありますか?
A. 「ビギナー・ベーシック・入門」はハタ系で低め、「フロー・ヴィンヤサ」は動き続ける中程度、「パワー・アドバンス・中級」は高め、「リラックス・夜ヨガ・ディープストレッチ」は低めが目安です。

Q. 体が硬いのですが参加できますか?
A. できます。柔軟性は参加条件ではありません。ポーズが完成形にならないことは想定内で、インストラクターも代替の形を持っています。

Q. 種類によって消費エネルギーは変わりますか?
A. 変わります。動き続ける時間が長く、大きな筋肉を使うクラスほど消費は多くなります。ただし個人差があり、汗の量では判断できません。

Q. 週何回くらい通えばいいですか?
A. まずは週1〜2回を3ヶ月続けるのを目安に(変化には個人差があります)。厚生労働省の身体活動・運動ガイド2023でも、成人には息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上行うことが推奨されています。

まとめ

マタニティヨガに取り組む女性(イメージ)

  • ヨガの種類は「強度」と「動き続けるかどうか」で整理すると分かりやすい
  • 初心者はハタヨガ、またはビギナー・ベーシック系クラスから
  • ヴィンヤサ・アシュタンガ・パワーヨガは運動量が多め。型を覚えてから
  • 陰ヨガ・リストラティブは低強度だが目的が「回復」。入口としては好みが分かれる
  • ホットヨガは流派ではなく「環境」。中身のクラス次第で強度は大きく変わる

種類を完璧に理解してから始める必要はありません。まずハタを1回受けて、そこから自分の体に合うほうへ動かしていけば十分です。

参考にした主な情報

うたぴん
[編集者プロフィール]
NESTA公認パーソナルフィットネストレーナー(NESTA-PFT)
現在はフリーランスで活動する1児の母。学生時代は陸上競技で長距離に取り組み、卒業後はNESTA公認パーソナルフィットネストレーナーとして月間100人以上のクライアントのカラダメンテナンスに従事してきました。現在は育児と仕事の合間にピラティスへ通い、忙しい毎日のなかで続けられるウェルネスを実践しています。「自分に合った運動を、無理なく今の暮らしに取り入れる」——自身の経験をもとに、初心者や子育て中の方の目線でヨガ・ピラティスの情報をお届けしています。
うたぴん
執筆・編集
うたぴん
NESTA公認パーソナルフィットネストレーナー(NESTA-PFT)
現在はフリーランスで活動する1児の母。学生時代は陸上競技で長距離に取り組み、卒業後はNESTA公認パーソナルフィットネストレーナーとして月間100人以上のクライアントのカラダメンテナンスに従事してきました。現在は育児と仕事の合間にピラティスへ通い、忙しい毎日のなかで続けられるウェルネスを実践しています。「自分に合った運動を、無理なく今の暮らしに取り入れる」——自身の経験をもとに、初心者や子育て中の方の目線でヨガ・ピラティスの情報をお届けしています。